<< コマンドーまだか こっそり >>

二台のヘリコプターの都市伝説

 あるテレビクルーは二台のヘリコプターを使い、樹海の奥にある景色を撮影するために山奥を飛び回っていた。
 しかし太陽が落ち夜になり、濃い霧が出て、ヘリは空の上で迷子になってしまう。
 燃料のほとんどを消費し墜落の寸前のところで、樹海の真ん中に着陸できるところを発見し、二台のヘリはなんとかそこに着陸した。

 その場所とは誰が建てたかも分からないおんぼろの山小屋で、その辺り一帯は人工的に切り開かれ、ヘリ二台でも着陸することができた。
 クルー達は助けを求めるため、二台のヘリコプターの燃料を一台のヘリに入れ直し、一部のクルーと燃料が空のヘリをその場に残して救助を求めるために飛び立った。

 飛び立ったヘリは無事に基地を発見し、新しい燃料を持って置いてきた仲間を助けるために再びその山小屋まで飛んだ。
 しかし山小屋に戻ってきたものの、仲間やもう一台のヘリコプターはそこから消えていた。
 何度も確認したがそこには誰一人としていなかった。
 再び空を飛び辺り一面を探し回ったが、暗闇と深い霧でなにも発見することができず、なくなく基地まで戻った。

 その日の朝。
 通報していた山岳警察から連絡が入り、もう一台のヘリコプターと残されたクルー達が見つかったという。
 ヘリはその山小屋から少し進んだ先で墜落し、乗組員は全員死亡していた。
 事故原因は、炎上した様子のないヘリコプターから、燃料切れによる墜落だと結論づけられた。
 残されたクルー達は、ヘリの燃料が空だということは知っていた筈。そして少し待てば、仲間が助けに戻ってくることも分かっていた。
 それなのになぜ燃料が空のヘリを飛ばしたのか? ヘリを飛ばせば燃料がなくなり墜落して死んでしまうことは分かっていた筈なのに。
『なにかがいたんだよ』
 山岳警察のある男は一言だけそう呟いて帰って行ったという。
 残されたクルー達は、霧が立ちこめた真っ暗な樹海の山小屋で、いったい何を見たのか。
 全員が死んだ今、そこで何が起こったのかは誰にも分からない。
[PR]
by dtm_hama | 2010-11-29 01:35 | ひとりごと
<< コマンドーまだか こっそり >>